2010年に、世界全体での太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーによる発電容量が、原子力発電による発電容量を初めて上回りました。
これは、「世界原子力産業現状報告年鑑」の執筆者である、マイケル・シュナイダー氏が4月13日にベルリンでの記者会見の中で発表したものです。
この発表の中で、2010年の世界の発電容量について、
風力 193GW
小規模水力発電 80GW
バイオマス・ゴミ燃料 65GW
太陽光発電 43GW
となり、合計で381GWとしています。
一方で、2010年の世界の原子力発電の容量は375GWで、初めて再生可能エネルギーによる発電容量が、原子力による発電容量を上回りました。
また、2010年の再生可能エネルギーによる発電量(大規模水力発電を除く)は、原子力発電による発電量を下回っているとしています。しかし、そう遠くない将来に再生可能エネルギーによる発電量が原子力発電による発電量を
上回ると予想しています。(発電容量とは瞬間的に発電する能力のことで、発電量は1年間などの一定の期間に実際に発電した電力の総量のことです。太陽光発電などは夜間は発電できないので、発電容量が大きくても、実際の発電量は小さくなります。)
この傾向は東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故が起こる前からはっきりと現れており、今回の事故によりこの
傾向はさらに
強まるだろうと予想しています。
この20年間で、原子力の発電容量は370GWに対して、年間平均増設容量は2GW程度で2005年以降は減速傾向にあります。
同じ期間に風力発電は年間増設発電容量は10GWであり、近年大きく加速し、2009年は37GW、2010年には35GWでした。太陽光の発電容量も同様に急激に増設されています。
太陽光発電も全体の発電容量からすると微々たるものだという気がしていましたが、具体的数字でこのように示されると、世界全体の発電容量としても太陽光発電はかなり期待できるようになってきたことを感じます。
世界の太陽光発電容量についての数字は、
太陽光発電の発電能力について も参考にしてください。